ソフトバンクグループは、「Yahoo!知恵袋」を廃人養成所にしたいのか

仲正昌樹[第31回]
2016年4月4日

仲正昌樹

仲正昌樹

 ソフトバンクグループのYahoo!Japanが運営する“情報”サイト「Yahoo!知恵袋」が、利用者同士の有益な情報交換とはほど遠く、2ちゃんねる以下の妄想と罵詈雑言が飛び交う場になっているのは有名な話である。通常のネット検索等では手に入りにくい、専門的な知識を、利用者同士が交換し合うというのが本来のコンセプトのはずだが、基本的に匿名での情報のやりとりなので、数年前の京大カンニング事件に象徴されるように、悪用する人間が出て来る可能性は常にある。明らかに本来の趣旨と違う“質問”や、注目を集めるためだけのふざけた“答え”でも、Yahoo!Japanがほとんど制約をかけず、抗議があっても無視しているため、ふざけた連中が調子に乗り、荒れ放題になっている。
 特に目立つのは、他人の“知恵”を借りるのではなく、自分の個人的な主張や偏見に賛同を求めるような応答である。例えば、政治家とかタレント、評論家などの名を挙げて、「○○は本当にひどいですね。みなさんはどう思います」という“質問”に対して、「やあ、本当にひどいです。最悪ですよね」と“答える”、というパターンがよく見られる。そういう何の意味もない、呆けた“答え”が、“知恵袋”のシステムに従って「ベストアンサー」に選ばれているケースが多い。あるいは、先の“質問”を気に入らない人間が、「ひどいのはお前だ。頭大丈夫?」、という調子で挑発し、喧嘩になって“盛り上がる”というパターンがある。あるいは、質問自体はまともでも、どこかのサイトに出ていた情報を、曲解したうえで孫引きしたもので“答え”るというのがある。例えば、公務員の年金事情に関する質問に対して、一般企業の会社員の年金の三階部分に相当する「(旧)職域加算」に関するどこかの専門家の記述を曲解したらしく、職域加算が平均で月20万円に上る、というとんでもなく非常識な数字を挙げていたバカがいる――恐らく、専門家が年20万円と計算したのを、「公務員はおいしい思いをしているに違いない」、という思い込みから、月20万円と早とちりして、そのまま書き込んだのだろう。こういう偏見に基づく思い込みが“答え”としてまかり通っていたら、知恵の交換ではなくて、バカの増幅にしかならないのは明らかだろう。
 最近、この“知恵袋”で、私を露骨に中傷誹謗するやりとりを見つけた。昨年の秋に、カテゴリー「大学」に書き込まれたものである。“質問”をしたのは、sigpoooonという人物である。

「金沢大学は二流大学。 自分の勤務校をそういう仲正さんの主張をどう思いますか。」

 この“質問”自体が、曲解に基づいていると共に、仲正に対する誹謗中傷を誘導したい、という意図に基づいて書き込まれたことが明らかだ。この“質問”は、私がこの連載の第一期第七回目に書いた「二流大学の厄介な学生」という文章にリンクされているが、まともな人間が読めば分かるように、私は、大学のランキングを主要な話題にしているわけではない。「自分の所属する大学のステータスに不満を持ち、現実が受け入れられないまま、その不満を教師や周囲の人たちに転嫁している学生」のことを「二流大学の学生」と呼んでいるのである。他の回にも同じような表現を使っているが、全てそういう意味である。あと、直接「二流」という言い方をしていないが、金沢大学の学長や理事たちが、自分たちが、旧帝大クラスと同格かそれに順ずるところに位置していると思いたがって、無理な背伸びをして、授業の五〇%英語化とか、自己の立ち位置を知るための科目とか、おかしな方針を打ち出しているのも、二流メンタリティのなせるわざだと考えている――第二期の第十四回、十五回参照。そういうメンタリティを問題にしているのであって、厳密にどういう尺度で見てどういうランキングにいるかとか、学生の偏差値がどれくらいだとかにさほど関心があるわけではないし、そんなことを、この『極北』の連載で書いても、私にとって何のメリットもない。
 このsigpoooonに限らず、私が自分の大学のランキングに拘っていると勝手に決めつけて、自分の勤めている大学をバカにしているとか、仲正自身のコンプレックスだとか騒ぐ奴がしばしば出現するのが、そういうのは、文脈が読めない人間の曲解か、もしくは、罵倒している人間自身の学歴コンプレックスの反映である。この連中は、「二流」という言葉に過剰に脊髄反射しているが、仮に私が大学ランキング的なものに本気で拘っているとしても、「二流」というのはそんなに低い評価なのか。もし私が「金沢大学は一応一流大学だが、…」というようなことを書いたとしたら、ほぼ同じ類の連中が、「仲正は自分の大学のランクを分かっていない(笑)。…」、と言って騒ぐのは目に見えている。中には、「金沢なんて実はFラン…」、と言い出す奴もいるだろう。「『~流』という言い方をすること自体が不適切である」、という批判なら傾聴に値するが、騒いでいる連中の中には、そういう正論らしいことを言っている人間は皆無である――匿名で、他人の言動に脊髄反射している時点で、“正論”とは言えないが。
 sigpoooonの“質問”に対する“解答”は二つ。“ベストアンサー”になっている方が、特にひどい。l_love_machine_xxxというハンドルネームの人物である。

 いや、こりゃ、笑っちゃったわ。
 金沢が一流だろうが二流だろうが、マーチより上だろうが下だろうが、どーでもいいけどさ。
 前半の、旧帝は別格で、神大、筑波大、広大が羨ましくて、理系はまだましだが、文系はマーチより下だから何番目まで下がるとか、三流でないだけまだまし、などと、はっきり言って、2ちゃんと知恵袋で学歴コンプ発散してる中二病学生と一緒じゃん。
 で、ドイツ語だよ。(一部の例外除いて)卒業してから役に立たない第2外国語。語学は鬱陶しいと思う学生でも、まあ、英語なら勉強するか、と思うけど、ドイツ語だからね。散々学生の悪口書いたところで、「結構たくさん本を書いていて有名だ」とか自慢してるんだから、笑っちゃいますね。
 金沢が一流でないことを認められないプライドだけ高い学生があーだ、こーだ、と言ってるけど、当の学生は全然そんな事思ってないよ。こいつの被害妄想だね。
 ほんと、教員に母校をぼろくそに言われる学生さんに同情しますわ。

 
 この人物は、ほんの少しでも自分がまともなことを言っていると思っているのだろうか。「Yahoo!知恵袋」とはそもそもどういうサイトなのか? 2ちゃんねるのように、他人の悪口を書き込むサイトなのか? 最初に、「笑っちゃったわ」などと言って、自分の方が高見に立っているように見せかけるのは、2ちゃんねるとかツイッターで、他人を罵倒するコメントに賛同を集めるために使われる典型的な手口である。
 この人物は私が、「2ちゃんと知恵袋で学歴コンプ発散してる中二病学生と一緒じゃん」と下品な言葉で決めつけているが、先に述べているように、私は、金沢大のランキングに拘っているわけではなく、私の目につくたちの悪い学生のメンタリティを「二流意識」と名付けているのである。『極北』の第一期第七回連載で、旧帝大やMARCHなどと比較するようなことを述べているが、これは当然厳密な順位を決めて、金沢大教授としての私の位置を確かめたいのではなくて、二流意識の学生について持論を述べるに当たって、自分の立場性を示しておくためである。金沢大学、あるいはそこの教員である私が、社会からどう評価されていると思っているのかについての大よその自己認識だ。私は、やや細かい問題について自分の批判的な意見を述べる際には、自分の立場性を説明すべきだと考えているので、少しだけ比較めいたことを書いたのである――私の知り合いに、数十年前の感覚で、金沢大がものすごくいい大学であるかのように言う人が結構いるので、それが誤りだということを指摘しておくという意味合いもあった。l_love_machine_xxxのような、ゲスな輩には、それが私のコンプレックスの現われに見えてしまらしい。私の中に、旧帝大とか早慶などの教授がうらやましいという気持ちがないと言ったら嘘になるが、不特定多数の人間――特にl_love_machine_xxxのような学歴コンプレックスの塊のような人間――に向かって、「旧帝大より下でくやしいけど、辛うじて二流でよかった…」、などとアピールすることには何のメリットもないどころか、デメリットしかない。そんなことも分からないのか? 学歴コンプレックスの塊であるl_love_machine_xxxは、自分のコンプレックスを、強引に私に投影しているのだろう。
 「金沢が一流だろうが二流だろうが、マーチより上だろうが下だろうが、どーでもいいけどさ。」と書いているが、「どーでもいい」のなら、どうしてこんなことに異様に拘って、私を誹謗中傷しようとするのか。l_love_machine_xxx自身が、一流~三流とか、マーチに比べてどのくらいの所にいるのかということが気になって仕方ないから、私の文章の主題ではないとことに脊髄反射してしまうのである。
 l_love_machine_xxxが学歴のコンプレックスの塊であることは、知恵袋に記録されている彼の過去ログを見ればよく分かる。この人物は、「平凡なサラリーマン技術者」を名乗っているが、平凡なサラ―リマンが、どうして多い時には日に十回も、知恵袋の「大学」カテゴリーに、学歴の関係の話を必死に書き込んで、物知りぶっているのか? この人物が書き込んでいることのほとんどは、予備校の公表しているデータや就職情報誌に載っていることであり、わざわざ知恵袋で披露するほどのものではない。多分あまり知らない人に対して、生半可な知識を披露して、学歴マスターのようなものになった気分を味わいたいのだろう――こういう無礼な輩の心情は勝手に推測させてもらう。しかも結構頻繁に、大学の格付けに関係する“論争”に口出しし、喧嘩をしている。慶応のような有名私大卒の人物に対する劣等感を露骨に口にしている。自分自身が「学歴コンプの中二病」なので、私の文章のごく一部だけ読んで、私もそうだと早合点したのだろうが、大学の教員である私が自分と同じような感覚だと思い込むあたりが、かなりバカである。研究者である大学教員の場合、東大や京大の教授でなくても、高い評価を受けている人はいるし、その逆もある。また知名度も、所属大学のランキングのようなものに比例していない。大学教員・研究者にとっては、そんなのは当たり前の話だ。学歴コンプレックスで狂っている、l_love_machine_xxxには、そういうことが全然想像できないのだろう。
 「『結構たくさん本を書いていて有名だ』とか自慢してるんだから、笑っちゃいますね。」というのは、どういうつもりだろう? 私が大手の出版社を含めてかなり多くの本を出しているのは事実である。ちょっとネット検索すればすぐ分かる――l_love_machine_xxxのような文盲に近い輩には理解できない本ばかりなので、彼にとってはないに等しいのかもしれないが。まともな学術書があまり揃っていない金沢大の生協書籍部でさえ、私の本は何冊も置いてあるので、文系の教員の多くは、私が本をたくさん出しているらしいことは知っているし、本を読まない学生でも、ある程度は知っているはずだ。その証拠に、2ちゃんねるやツイッターに私のことをディスる書き込みをしている学生(らしき連中)たちも、私の本や雑誌記事に言及することがしばしばある。そういう事実を述べたら、自慢話をしたことになるのか? l_love_machine_xxxのような学歴コンプレックスの塊にとっては、東大卒の人が、文脈上の必要があって、「私が東大で学んでいた時…」と書いたら、東大卒を自慢したことになるのかもしれない。博士号を持っている人間が、「私が博士論文を執筆していた時には、…」と書くのも、自慢話になってしまうのだろう――この連載でソーカル事件について書いた時(第二期第二十二~二十四回)にも、その手の反応をする輩が結構湧いて出た。l_love_machine_xxxは、恐らく、一日中他人の“自慢話”を聞かされて、気が狂いそうになっているのだろう。
 l_love_machine_xxxが典型的なバカ学生であったこと、その結果、廃人になってしまったことを最も端的に示すのは、「で、ドイツ語だよ。(一部の例外除いて)卒業してから役に立たない第2外国語。語学は鬱陶しいと思う学生でも、まあ、英語なら勉強するか、と思うけど、ドイツ語だからね。」という台詞である。こいつは、学生が役に立たないと思った科目は、勉強しないのは、当然と思っているのだろう。そんなことを言い出せば、第二外国語に限らず、ほとんどの科目は、勉強しなくていいことになる。こいつは、ドイツでドイツ語が話されていること、ヨーロッパ関係で仕事をする機会があれば、ドイツ語がかなり役に立つという中学生でも知っていることを知らないのだろう。法学や哲学を専門的に勉強しようとする人にとっては、ドイツ語は不可欠である。中国語、スペイン語、フランス語などだと、ビジネスで役に立つ可能性は、ドイツ語よりも高いだろう。この書きっぷりからすると、l_love_machine_xxxは英語さえ満足にできないのだろう。英語が役に立った、立ちそうだ、という経験があれば、それらしいことを書くだろう。多分、l_love_machine_xxxはニュージーランドの隣にオーストリアがあると思っている類の輩であろう――金沢大には、卒業するまでそう思い込んでいる輩が少なくない。
 そもそも私は、学生が第二外国語を熱心に勉強をしたがらないこと自体に腹を立てているのではない。そんなことはとうに諦めている。宿題をやってこないとか、しょっちゅう遅刻したり、授業中にずっとぼうっとしたりしているので叱ったら、それを自分の問題として受けとめないで、「仲正は人格異常者だ」、という噂を流して憂さ晴らしするような態度に腹を立てているのである。ちゃんと読めば分かるはずだが、大学でほとんど何も学ばなかったl_love_machine_xxxには最低限の国語力もないのだろう。それプラス、彼自身もこの手の自己正当ばかりしている人間だから、無条件に教師の方が悪いと思ってしまうのだろう。
 あと、「金沢が一流でないことを認められないプライドだけ高い学生があーだ、こーだ、と言ってるけど、当の学生は全然そんな事思ってないよ。こいつの被害妄想だね。」と決めつけているが、金沢大と何の関係もないl_love_machine_xxxに、どうしてそんなことが分かるのか。私は金沢大で十八年以上教員をやっている。学生が旧帝大に対するコンプレックスのような話しをしているのを直接聞いたことが何度もある。旧帝大を落ちて、金沢に来たという学生がかなりの割合を占めているのは隠しようのない事実であり、学生や教員の間でよく話題になっている。2ちゃんねるの金沢大関係のスレッドでも、しょっちゅうそういう話が出て来る。そういう連中と、自分の態度を棚に上げて私の悪口を言っているような連中がかなり重なっているのではないか、と私は推測している。それを当該の文章で書いたのである。ちゃんと調査しているわけではないので、どれだけ重なっているか厳密に示すことはできない。ただ、何例か明らかにそうだと言えるケースを経験してきた。拙著『知識だけあるバカになるな』で、その例の一つを紹介している。また、『極北』第一期第八回の記事で言及した、「ドイツ、抽選で仲正になったらスペインに逃げる!」と言っていた関西人は、自分が大手予備校の東大・京大進学クラスだったことを“自慢”していた。少なくとも、年に二~三回は、そういうのに出くわす。
 やるべきことをやらないくせに、妙にプライドが高くて、叱るとすぐに反発する学生に手を焼くというのは、金沢大の教員のほとんどが、というより日本の大学教員のほとんどが経験していることである。私はそのことを強い言葉で表現しているにすぎない。l_love_machine_xxxは、「教員に母校をぼろくそに言われる学生さんに同情しますわ。」と捨て台詞を言っているが、私は、こいつが“学んだ”大学の先生たちと、こいつを間違えて雇ってしまった企業の上司たちに深く同情する――そういう企業が実在すればの話だが。
 もう一つの“回答”を書いたgakurekibakabokumetu奴もかなりひどい。

 ほんまや。
 l_love_machine_xxxさんに同意しますわ。
 この人どんだけ偉い人か知らへんけど、
 文章だけみたら知恵袋によくおる学歴オタクのクズにちょっと毛の生えたくらいやな。
 まあ、学生のこと批判するのも自由やけど、学者やったらもうちょっと品のある文書かんとあかんわ。

 「ほんまや」と同意しているのだから、l_love_machine_xxxについて述べたことは、全てgakurekibakabokumetuにも当てはまる。このバカは、私の文章が下手だとケチを付けているが、これは論文でも新聞の論説でもない。私の思ったままを、自由な文体で書いていいことになっている、かなり緩いコラムである。l_love_machine_xxxやgakurekibakabokumetuのような不快な屑に仕方なく言及する時には、相手に合わせてやや乱暴な言葉遣いをすることもある。そういう使い訳をしている学者・文化人は少なくない、というより、いろんな種類の文章を書く人なら、使い分けるのが当たり前だろう。この連中は本を読まないので、そういうことが分からないのだろう。恐らくこいつは、大学教授は、政治家のように、l_love_machine_xxxやgakurekibakabokumetuのようなゲスの極みのような無礼な輩に対しても、丁寧な言葉遣いで語りかける義務があるとでも思い込んでいるのだろう。gakurekibakabokumetuは、私の文章力を判定しているつもりになっているが、自分やl_love_machine_xxxは、品格のあるまともな文章が書けているとでも思っているのだろうか? 自分が、“知恵袋”に下品な関西弁で他人の誹謗中傷をして憂さを晴らしている屑だという自覚はあるのだろうか? ソフトバンクグループは、こんな連中を野放しにして、やりたい放題、中傷罵倒をさせている方が金儲けになるのだろうか?
 因みに金沢大学法学類の学生による、最近のツイッター上での私に対する悪口に、以下のようなものがあった。

RT @UNIONTELLING: 「セックスは絶対不可欠ではない」を実践する研究者。現在、52歳とのこと。 ”気鋭の思想家・仲正昌樹氏(金沢大学法学類教授)/50歳近くになるがいまだ童貞だとカミングアウト。”, j-cast.com/tv/s/2014/01/2…
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まってwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww仲正童貞なのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

Twitterkonitantanmen (生きる気力のない燃えないゴミ) – 16時間前
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あ、仲正ってエゴサするじゃん……………鍵かけておこ

Twitterkonitantanmen (生きる気力のない燃えないゴミ) – 16時間前
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 これが、金沢大学の現実である。これを「二流」と形容したら、学生が可哀想だというのだろうか。教師は、こういうのに一方的に耐えろとでもいうのか。l_love_machine_xxxやgakurekibakabokumetu、ソフトバンクグループの担当者等は、そういう身勝手な感覚で“学生生活”を送ったのだろう。