8月7日に当社のブログ『極北』を突然閉鎖してしまったことで、関係者や普段ご覧頂いている方々にご心配とご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありませんでした。今回の経緯について、ネット上などで誤解が拡がっているようですので、7日に起こったことの事実経過について、以下の通りご説明申し上げます。
 7日午前11時頃、当ブログに掲載されている仲正昌樹さんのコラムの10回目に対して異議があるのでかかる投稿を掲載させてほしい旨のメールを確認しました。送って来た人は、仲正さんのコラムで「名指し」で批判を受けた当人だということでしたが、仲正さんのコラムで言及されているのは、その方がネット上で使っておられるハンドルネームですし、その方からの投稿にも個人情報的なことはほとんど書かれていなかったので、投稿から現役の学生らしいということは分かりましたが、それ以上の事は分かりませんでした。
 そこでこの件について仲正さんに連絡及び相談をしようとしたところ、留守電になっていて繋がりません。後で仲正さんにお伺いしたところ、勤務校である金沢大学以外のところで集中講義をされていたので、その日の授業が一段落するまで電話に出ることはできなかったとのことです。
 仲正さんが電話に出られる状態になるまで、落ち着いて待っていれば良かったのかもしれませんが、普段ならすぐ繋がる電話がこの日に限ってまったく繋がらないので、他社でやはり仲正さんを担当されている何人かの編集者に連絡し、上記ブログの事、及び仲正さんに全然連絡がつかない旨お話しした所、暫くして、一人の編集者から、メール(投稿)と同じ主旨の文章が既にツイッターで流れており、ある人たちの間で、事情をよく知らないまま仲正さんを非難する声が拡がっていると、知らされました。そのうえで、何らかの対応をしないとまずいのではないか、とアドバイスを受けました。
 その人は、別にブログを閉鎖すべきだと示唆したわけでなかったのですが、ブログの担当責任者として、そのような、いわゆる「炎上」しかかっている状態のブログをそのまま放置しておくわけにも行かず、何とか手を打たねばならないと考えましたが、肝心の仲正さんには連絡がまったくつきません。そこで、その時点で唯一、私に出来る事として、一方的な情報の拡散を避けるべくいったんブログを閉じ、その後のことは、仲正さんと連絡がとれた後、仲正さん自身の判断にゆだねることとし、普段当社のネット関係のメンテナンスをお願いしている方に連絡し、かかる処置をとらせて頂いた、と言うのが事の真相です。ブログのメンテナンス及び管理を外部に委託していたのは、編集担当者がネット関連の操作に疎く、中途半端な知識で操作し全体が崩れてしまうようなことのないよう、経験ほうふな外部の方に依頼していたという理由です。
 尚、仲正さんの当該コラムだけではなく、ブログ全体を閉鎖するというのは、唐突のように思われるかもしれませんが、実は、かねてからブログ全体のリニューアルを計画しており、いったん閉めることは規定事実でした。
 理由は、『月刊』と銘打ち、ブログ更新のハードルをかなり下げていたにも関わらず、執筆陣が、仲正さんなど私が親しくしているごく少数の人に限定されているうえ、お仕事の関係で「月一」ですら執筆が滞りがちの方もいらっしゃるので、秋から執筆陣を新たに募り再出発を考えていたからです。そのことは、仲正さんを始め関係している方には既にお伝えしていましたが、これと今回の件とが重なり不必用な誤解を与えてしまった事、深く反省しております。

 ブログを閉じて約15分後、ようやく仲正さんと連絡がついて経過を報告しましたが、仲正さんには、既定路線としてブログをいったん閉じるのは、明月堂書店が決めることなのでいいけれど、このタイミングでいきなり閉めてしまえば、ツイッターで騒いでいるような連中は、「仲正が逃亡した」などと余計に騒ぐに決まっている、自分のためにやってくれたというのであれば、逆効果である、とキツく抗議されました。また、即、ブログを復元する事を求められました。
 しかし、私自身はブログのメンテナンスが出来ないので、直ぐにもとに戻すわけにも行かず、さらにメンテナンス担当者に確認すると、一旦全部閉じてしまったものを直ぐもとのままに戻すことは出来ないとの返事。それで(その時点ではベストと思われる選択として)ブログを元に戻すのが不可能なら、少なくとも再開する期日だけでも掲載出来ないかと相談し、「8月12日から再開します」の一文のみを掲載したブログをアップする事で何とか仲正さんの了解を得ることができました。
 再開が8月12日の理由は、『月刊極北』を一旦閉鎖し、秋に再開を予定していた旨、既にお伝えしましたが、実は、その閉鎖の作業、及び秋に再開を予定しているブログに関する打ち合わせを(メンテナンス担当者と)予定していたのが8月11日であり、その日まで担当者が動けないと言う事情がありました。
 以上が7日に一旦ブログを閉鎖し、今回再開に至るまでの流れです。
 関係者にご迷惑をおかけした事、重ねてお詫び申し上げます。
 なお、その後の仲正さんとの相談で、ネット上で拡散した、悪意のある誤情報の全てについて、一々反論しても何の実りもないので、基本的に無視しようということになりましたが、ブログの閉鎖をめぐって混乱が生じたこともあり、今回の件に関かんして仲正さんから基本的立場を表明して頂くということにしました。

追記
今日立ち上げたホームページはあくまでも今回のブログの件を受けて暫定的に立ち上げたものです。今秋に向けてあらたなホームページを予定している事をお伝えしておきます。『極北』もそのとき改めてスタートする事になると思います。