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東陽片岡の女人追憶【第10回】 – 月刊極北

東陽片岡の女人追憶【第10回】

東陽片岡[第10回]
2014年2月7日
[1]

 今回は、ワタヒの記念すべき第一回目のおセックスについて書いてみたいと思います。
 あれはもう二十九年前のことであります。当時真性ホーケイかつ童貞だったワタヒは、相模原の某市立病院の泌尿器科にて、ホーケイシリツを受けたのでございます。
 実にいい加減な先生に執刀してもらいましたが、とりあえずズルむけチンポになったから、さっそく試しに出かけることにしました。
 人生第一回目のおセックスは、やっぱひソープランドがいいだろうつーことで、カメというあだ名の友人に、大塚のKという駅前ソープを紹介してもらいました。
 このソープランドは、六十分・一万四千円(サービス料)つー格安店で、おネエさんの源氏名が東京二十三区の名称という、面白いお店であります。
 畳敷きの豪華な待合室から案内されると、ふくよか系のSさん(推定三十代前半)が迎えてくれました。もし現在、ホテトルでこの方が来たら、ちょっと残念つーフンイキ的按配の方でした。
 緊張しつつも、さっそくボディ洗いからフェイント尺八、入浴&歯磨きへと進みます。この店は個室がしこたま狭く、マットがございません。なにしろ安いですから、ビギナーにはちょうど良いと思います。
 さて、いよいよおベッドタイムであります。やはり人間、何事も第一回目つーのは緊張致します。あちこち愛撫する事もなく、いきなひ観音様へ突撃であります。
 訳も解らず夢中で腰を動かしますが、やはり緊張のせいか、なかなか昇天しません。とうとうSさんもシビレをきらし、スポ ッと愚息を引っこ抜くと、ローションで手コキを始めました。いわゆるおスペつー奴であります。
 裸電球の向こうのスピーカーからは、ゆうせんで演歌が流れております。薄暗がりの中、手コキのチュパチュパ音と重なり、実にショボくれた昭和ムードを醸し出しております。
 「お客さん、血。血が出てきた!」
 Sさんの呼びかけでふとチンポを見ると、なんと、ホーケイシリツの縫い目から出血しているではありませんか。
 しかし、ドクターストップをかけることもなく、試合続行をお願いしました。なんせ高いお金を払ってきた訳ですから。
 その結果、しこたま激しい流血戦となり、まるでアブドーラ・ザ・ブッチャーみたいな血だるま状態となった果てに、めでたく昇天させていただ いたのであります。
 血だるまの赤と、ザーメンの白。こりゃ出だしから縁起がいいわい、なんて感銘している余裕も無く、慌てて家に帰りチンポを消毒しました。
 あれから二十九年。あの頃の魚肉ソーセージみたいな初々しいチンポも、今ではもはや見る影もございません。左四十五度に曲がり、中古車評価で言えば・下・のランクにまでくたびれてしまったワタヒのチンポ。
 そろそろ、人生最後のおセックス計画を考え始めている今日この頃なのでございます。それにしても、第一回目のお相手をしてくれたソープKのSさん。今頃どこで何をしているのでありましょうか。たみゃらん。