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『天皇について』から『猫が主役の竹本一家』連載へ

『天皇について』から『猫が主役の竹本一家』連載へ


 2014年11月から本年春まで、約三年半に渡って、断続的に連載された、たけもとのぼひろ氏の『天皇について』(仮題)も、一応の区切りをみせ、遅くても、今秋までには、装いも新たに単行本として、〝全国的書店展開〟をすべく、現在編集作業が続いておりますが、今回からは、新たに、たけもと氏の猫にまつわるエッセーの、連載が始まります。
 実は、たけもと氏と猫とは、因縁浅からず、彼の「全国指名手配書」にまで、その存在が特記されるほど、知る人ぞ知る所であり、彼自身も、これまで、折りにふれ、暖かい眼差しと、心に沁み入るような静穏な文章で綴られた、猫の名エッセーをものにしてまいりました(『ならず者出獄後記――泪の旅人』2001年・青林工藝舎など参照)。

泪の旅人(青林工藝舎・2001年)

泪の旅人(青林工藝舎・2001年)

 市井にあっても、『天皇について』で、どこか、読者は(隠しきれず)「論」を展開する、著者の、学者研究者としての片鱗を発見することがあるように、新たな連載には、(隠しきれず)過剰なまでに、猫や生き物へに想いを寄せる、著者の「生活人としての一面」を見る事が出来るのではないでしょうか。
 かつて、「過激派の教祖」とまで、喧伝された事のあるたけもと氏は、実は、「過激派」でもなければ、「過剰派」でもない、本当はずっと「過情派」あった――。実は「論」と「情」人、新連載に於いて、読者に、そんな著者を発見して貰えれば、幸甚このうえありません。

明月堂書店編集部