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東陽片岡の女人追憶【第9回】 – 月刊極北

東陽片岡の女人追憶【第9回】

東陽片岡[第9回]
2014年12月12日
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 テレクラがすたれた後、ダイヤルQ2つー電話を介したナンパが流行しました。
 テレクラで今ひとつ不完全燃焼に終わったワタヒは、今度こそとのめり込んでいったのでございます。
 ワタヒが利用したのは、あらかじめ録音されたおネエさんのメッセージを聞いてから電話をつないでもらう、プロフィール・ツーショットつー奴でした。もちろん人妻&熟女専門回線であります。
 しかしテレクラん時同様、アポをとるたびスッポかされるの連続でした。途中から、相手の女性は全員アルバイトのサクラであると気付いたのですが、逆にそんな人たちに会いたくなり、意地になってかけまくっておりました。
 三分三百円つー高い料金のダイヤルQ2。ちょいとイイ按配の中古バイクが買えるく らいお金を使った挙げ句、都合三名の熟女とご対面が叶いました。
 んで、そのうちの約二名とおセックスさせていただいたのですが、今回は一番最初に会ったおネエさんの巻であります。
 夜の上野で待ち合わせたその方は、ちょいとやつれた感じのYさん四十八歳。高校生の娘さんがいるのに、実家の親に預けたまま自分は男と同棲生活を送っているという、とてもエケない熟女であります。
 その彼氏も、実は刑務所暮らしをしているそうで、寂しさと金欲しさからこの仕事を始めたと言います。
 とにかく事情はどうであれ、ダイヤルQ2で初めて会った女性ですので、親身になったフリをして話を聞きます。
 居酒屋からカラオケボックスへ移り、ひとしきりおムード歌謡でフンイキを盛り 上げます。今と違ってその頃のおネエさんは、演歌&おムード歌謡好きがたくさんいたのでございます。
 「別れても好きな人」などデュエットでYさんと密着状態になったならば、そのまま湯島のラブホにチン入です。
 プチ栄養失調的なYさんのボデーは、ひたすらか細く、なんかこう手応えに欠けておりましたが、なにしろダイヤルQ2での初おセックス。いつもより多めにチンポを立たせ、奮闘させていただきました。
 一回戦にてお互いグロッキーとなり眠りについた訳ですが、寝入りばな、Yさんがこいた「プリ~ッ」つー屁の音が、今でも忘れられません。
 Yさんとは一期一会だなと思っていたら、後日、彼女から電話がかかってきました。なんでも彼氏がもうじき出所してくるそうで、 この際キッパリと別れたいとの事。だから、しばらくワタヒんちへ泊めてくれと言うのであります。
 タラリと汗を垂らしつつ、丁寧にお断りしたのは言うまでもありません。
 あれから十数年。現在は六十歳を越えているであろうYさんを、フト思い出してしまったつー訳でございます。たみゃらん。