[編集部便り・番外編]
石浦昌之さん、『高校 倫理が好きだ!』(清水書院)刊行
「極北」編集部
2016年4月10日

(高校倫理研究会 著、清水書院)
弊社刊行物と「極北」ブログでお世話になっている著者の関連情報をご紹介します。
3月末、石浦昌之さんが参加している高校倫理研究会の『高校 倫理が好きだ!―現代を生きるヒント』(清水書院)が刊行されました。高校倫理研究会は、高校で「倫理」を教えている現役の教員を中心とする研究会。研究会メンバー21人の手による本書のうち、石浦さんは「《プラトン》 理想とイノセンス」、「《リオタール》 「大きな物語」の果てに」の2編を執筆しています。目次詳細は清水書院さんのウェブサイト(http://www.shimizushoin.co.jp [1])をご覧ください。
現在執筆中の石浦さんの初の単著となる次作『哲学入門』(仮題)は、弊社から刊行予定です。ぜひご期待ください。
【著者からのメッセージ】
この度、高校倫理研究会著『高校 倫理が好きだ!―現代を生きるヒント』が出版され、2編を分担執筆させていただいております。実はいま、高校公民科「倫理」という科目は重大な岐路を迎えています。それは、現状の形としての「倫理」授業がなくなるかもしれない、ということです。これは少なくとも、倫理を専門とし、教えている教員(社会科の教員の中でも数少ないのですが)の中に共有されている危機意識です。そもそも「倫理」という授業が教育課程に無かった、とか、別段思い入れはない、という方もいらっしゃるかもしれませんが、「倫理」授業の意味を認め、愛する者からすると、ある種の存立危機事態にあると言えます。
そうなった理由を明確に挙げることは難しいのですが、政治的な問題に加え、今に始まったことではありませんが、経済至上主義の昨今、哲学という学問が相対的に存在感を失っていること(文系廃止・転換論とも地続きです)なども関係しているように思えます。
文部科学省は昨年、次期学習指導要領で「公共」という新科目を必修とし、「倫理」「政治・経済」を選択科目とする方針を発表しました。「なくなる」という最悪の結末は逃れられたとは言え、現状の思想史的「倫理」は消えてしまうかもしれません。また、大学入試改革の中で「倫理」が受験科目としてどう位置づけられるのか、も科目の実質的な存続に大きく関わってくるでしょう。
以上が編者の趣旨に同意して、愚筆をとらせて頂いた理由です。本の中身は、20人以上の思想家を取り上げたコラム形式の読み物で、どなたでも気軽に手に取れる作りになっています。ぜひご一読頂ければ幸いです。